謹賀新年(2019)
2018年は、ビジネスの発展にともなって、ゲーム史の研究者や、大学で教鞭を執られている方とも、新しい交流が生まれた年でした。まだこれからという要素がたくさんありますが、成果は、「エクスタロット」という製品群としてサイトで紹介していきますので、それをご覧頂ければと思います。
ここで、すべての始まりとなった7年前にさかのぼってお話をしましょう。その頃、タロットカードとその歴史に興味を持ち、本を読みあさって調べていました。そして、トランプとの相互関係、大アルカナの絵柄の起源になったであろう書物や絵画、4つのスートの由来に関する諸説、貴族の間ではトランプと同様にゲームに使われたこと、後に占い道具となって普及したこと、などが分かりました。そこで、ゲーム用の新しいタロットカードを作ってみようという機運が生まれ、これにXTAROT(エクスタロット)と命名したのです。
エクスタロットの設計理念は、できるだけ汎用的に作り、それを使うためのルールを考えて楽しむことでした。これは、ハードとソフトの分離を意味します。トランプを例にとると分かりやすいのですが、トランプの箱に、特定のルールを書いた説明書は、普通は付属していません。トランプのルールは、過去から様々なものが提案され、淘汰され、改良され、面白いものが現代に残っています。そしてルールは今でも生み出されています。カードがハードウェアだとすれば、ルールはソフトウェアです。
現在は、「エクスタロット」をゲーム開発用品の統一ブランド名にしたことで、目標をより明確化できました。プレイする文化に加え、考えて作って楽しむ文化が、このブランドの目指す道になったのです。このため、エクスタロットの製品群には、ゲーム用の駒や通常のサイコロの他に、片方の面を自由に設計できるカード、6つの面にラベルを貼って作るサイコロ、手の形を最大7種類に拡張したジャンケン用の道具、などが含まれています。それらのルールやプレイ戦略を考えることは高度な数学を必要とすることもあり、知育玩具から大学の研究題材に至るまで幅広い活用の対象になっています。
2019年は、エクスタロットシリーズによる「考えて作って楽しむ文化」への貢献を更に推進しますとともに、出版社登録もしましたので外部から著者の方を招いて成果発表の場として書籍発行も進めてまいります。
また、滞っていた音楽の制作も復活しますので、どうかご期待いただければと思います。
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