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[参考] ゲームを研究する 鈴木銀一郎

鈴木銀一郎先生が、BBS「金羊亭」で、
ゲーム研究に関する記事を連載していますので、ご案内します。


Fog of War  (2009年7月22日)

シミュレーションゲームのシステムを1つ思いついた。
これまでのゲームは、ターンと時間の流れというものが連動していた。
新しいシステムは、時の流れをダイス等のランダム性を活かして、
ターンと切り離してしまおうというものである。
例えば、これまでのシステムで、1ターンが1週間というゲームがあったとしよう。
これを、ダイスによって6~8日という幅で変化させるのである。
援軍は14日後とすると、従来なら必ず第2ターン終了時に出現するが、
新しいシステムだと、出現しない場合もあるということである。
これによって、戦場の不確定性が増すことになる。
わたしは、「バルバロッサ作戦」を想定して考えたのだが、
徳岡さんに話したところ、戦闘級のゲームで実験し、面白い結果を得たという。
意外に汎用性のあるシステムかもしれない。

因みに「バルバロッサ」では、毎ターン、移動フェイズ終了時、
3個のダイスを振り、その中位の目をタイムテーブル上で累積していく。
移動フェイズは3あるので、毎ターン平均10.5が累積される。
赤軍の援軍や、冬所軍の到来は来ることは分かっていても、
いつ来るかは不確定になるのである。

鈴木銀


研究開始  (2009年7月23日)

アークライトの橋倉さんに頼んでおいた『ドミニオン』と、
『ドミニオン(陰謀)』が到着。
まだプレイしていないカードがけっこうある。
まず、『ドミニオン』から分析してみることにしよう。
昔、レースゲームとしての『ミルボーン』を分析したことを思いだした。

鈴木銀


ただいま  (2009年7月25日)

アトリエサードのゲーム会から帰ってきたところ。
ゲーム会だが、わたしは話してばかりしていた。
相手は、呑龍おかあちゃん、徳岡さん、折原くん、
デジタルゲームをつくっている水野さん。
徳岡さん、水野さんからは、最近のゲーム界について、
とても刺激的な話を聞かせてもらった。
徳岡さんは、常に物事を原点から観るという姿勢があって、勉強になる。
それとは別だが「いじめ」をテーマにしたゲームの企画の話を聞いていたら、
この人は天才なのではないかと思った。
ただし、絶対に市販されないテーマの企画を考えるところは、
少し「おかしい(微妙な表現だが)」といえないこともない。(徳岡さん、許して)
別室では『ドミニオン』。
プレイしたかったが、電車の時間もあり、失礼した。
1年ほど前は「始発までボードゲーム」とかいって威張っていたが、
最近はその元気がなくなった。
今年のJGCでは、ちゃんと寝るぞ。

鈴木銀


石田三成  (2009年7月27日)

『義に生きたもう一人の武将 石田三成』(宮帯出版社・三池純正著)
を読む。
『季刊日本史ウォーゲーム3』の付録ゲームが関が原であり、
「家康と三成」の対比の原稿を依頼されていたためである。
これまでの二人の「対比」は、家康のシナリオ通りに踊った三成といった印象だった。
ただ、その印象は主として司馬遼太郎氏の著作によってできあがったもの
であることは判っていた。
司馬遼太郎氏はわたしが尊敬している作家である。
しかし、作家というものは、面白い作品を書こうという強い意志のために、
その筋書きに合わない点は無視するという傾向がある。
また、司馬氏が活躍した時代に比べると、現在の歴史研究は大きく進んでいる。
そこで原稿を書く前に、どうしても最近の「石田三成像」について
知らねばならぬと考えていた。
図書館から2冊ばかり借りたが、
あまり、従来の印象から進化しているとは思えなかった。
そこで、高田馬場の芳林堂書店の歴史コーナーを探したところ、
『義に~石田三成』を見つけたというわけである。
(最近は新宿紀伊国屋より、芳林堂を利用することが多くなった。
 これは学校がなくなったため、新宿に出る必然性が激減したからで、
 紀伊国屋の店員の態度が悪かったためではない。念のため)
この本は今年6月が初版で、著者の三池氏は、最近の研究資料と、
自分が関が原や、三成の故地を調査した結果を踏まえた真面目な執筆姿勢で、
非常に好感がもてた。
(帯には「直江兼続の盟友 三成」とあるが、
 これは出版社の助べえ根性で、そんな流行におもねった作品ではない)
改められた三成像は、あくまでも家康と対等に渡り合った武将というものだった。
構想を練り直した結果、家康と三成の差は「プレゼンテーション力の差」
ということで原稿を書こうという気になっている。
プレゼンテーション力には、その人物がどのくらい信用・信頼されているかも入り、
この点だけは、三成は家康に遠く及ばなかった。

まだ編集者だった時代、神楽坂の路地裏に小さなバーがあり、
そこのママがポーカーが好きだった。ポーカー好きのイラストレイターさんと
3人で2度ばかり、徹夜したことがある。
結果は、勝ちも負けもなかったという記憶しかない。
たぶん、わたしが、1000円とか2000円とか負けたのだろう。
そのバーの入り口に、三成の旗印の「大吉大一大万」がかかっていた。
ああのママは三成とどういう関係があったのだろうか。
今となっては、確かめようもない。

鈴木銀


徳川家康と石田三成  (2009年8月4日)

「徳川家康と石田三成」の原稿が上がった。
メールもちゃんと届いたことを確認。締め切りから1週間ほど遅れたが、
編集さんが「サバを読む」傾向があるのを見抜いていた。
(催促の電話もなかったしね)
だから、製作には充分おつりがくる日程で送ったのである。
後は、リテイクがあるかどうかだが、多分大丈夫だろう。
読み返してみてけっこう面白いからだ。
もっとも、書いた本人が面白いと思わなければ、
それはよほどの駄作ということになる。

書いたものだけでなく、デザインしたゲームでも同じことだ。
本人が面白いと思わなければ、だれが面白がってくれるのか。
だから、わたしの書いたものや、デザインしたものは、
いつでも面白いと思って発表している。
ただ、それはあくまでも主観であることは分かっているので、
実際に読んだ人、プレイした人の評を聞くまでは、
いつまでたってもドキドキしている。

編集長時代、部下によくいったものである。
「ライターさんをほめなさい。ほめて、ほめて、その後で注文を出しなさい。
 もし、ほめるところがなければ、その人を使うのを止めなさい」
編集者としてのわたしも、その言葉を実践していた。
だから、みんなわたしの注文には素直に応じてくれていた気がする。

今日は夕方から、某省に出動。
「民間と某省とのコラボの可能性を検討する会」の2回目だ。
今日は、岡山ゲーム会でのプレイ仲間であるY一等陸尉も出席の予定。
Y一尉は、もとシミュレーションゲーマーで、
それを仕事にできないかといろいろ努力した結果、
陸上自衛隊のシミュレーションを研究する部署についているという人である。
去年の岡山ゲーム会は欠席されたので、2年ぶりの再会となる。
今日予定されているテーマは、わたしの出番はあまりないと思うが、
2次会が楽しみである。

鈴木銀


某省にて  (2009年8月5日)

前回より、大分参加メンバーが増えた。

今回は、国際ゲーム開発者協会日本代表の新清士氏が
「ユーザーを利用した新技術の開発」について、
フロム・ソフトウエアの三宅陽一郎氏が
「デジタルゲームにおける状況認識と意思決定」について、
30~45分程度の講演を行い、その後に質疑応答という形で行われた。

両方の講演とも、なかなか聴けない内容で非常に勉強になった。
特に、新(しん)さんの「ユーザーを利用した~」は、興味深く思え、
それをアナログゲームにも適用できないかと、妄想をたくましくする。

2次会は、前回と同じくさくら水産へ。
メニューに「味噌串カツ」があったので注文してみる。
名古屋で食べたのに比べると、体積が小さいような気がしたが、
味はしっかり名古屋していた。
味噌とカツをコラボさせるなんて、名古屋はすごい!

Y1尉は、現在民間のシンクタンクに1年間の出向中とのこと。
「シミュレーションゲームの手法を歴史研究に応用する」ことを
研究中の蔵原さんと3人で長い時間話す。
蔵原さんは、自衛隊がもっと情報を公開すべきであると主張。
わたしは、某省に通う自衛官は制服を着用すべきであると主張した。
自衛隊よ、もっと自信をもって、かっこいい制服姿を国民の前に見せてくれ。
そうすれば、もっと心のつながりができるはずだ。
この会はさらに続くようなので、いつかそれを提案してみようかと思っている。

ごがつばかさんが、桜庭一樹の『推定少女』を貸してくれた。
帰りの電車の中で立ち読み。
「ラノベってすごい」と思う。ますます許せない。

帰宅したら日が変わっていた。

鈴木銀


『推定少女』  (2009年8月6日)

桜庭一樹の『推定少女』を読了。
現在のわたしでは、論評不能。
分析しなくては。
どなたか、この作品のよさを解説いただけると恩に着ます。

『戦国支配』は一応修正を完了した。ただし、完成にはまだ間がある。
今回の修正は、カードの機能から逆算したもので、
前回バージョンに比べたら、より基本形であるともいえる。
これが期待通りであれば、それからフレイバーを足していくことになる。

今日は12時からR&Rステーションでテストプレイ。

鈴木銀


信長最後の茶会  (2009年8月10日)

昨日のこと・・・。

11時15分、新宿紀伊国屋で『ドミニオン』を徳岡さんに渡す。
その際、『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』を渡された。
わたしが、桜庭一樹の『推定少女』の面白さが分からないので、
「どなたか解説してくれると嬉しい」と書いたことに対する回答なのだろう。
はい、自分で読んで考えます。

その後、紀伊国屋で『信長最後の茶会』(小島毅・光文社新書)を買う。
店内(といっても2階だけだが)を回っているうちに面白そうな本があったので、
他に3冊買ってしまった。
引越し後、書籍の収納場所に余祐ができたので、
つい昔風の買い方になってしまう。
12時から、Beeという店で同窓会。最終的にはわたしをいれて10人に。
近況報告、わたしの雑談の後、『ドミニオン』と『戦国支配』をプレイ。
6時から、有志8人が歌舞伎町のカラオケに移動してまたプレイ。
カラオケのテーブルでゲームをプレイするのは初体験。
『戦国支配』については、みんないっぱい提案してくれました。
その中のいくつかは、傾聴すべきものだったので、それを基に修正するつもり。

3次会は辞退して、帰宅。

わたしは、今年の1月に『信長 シミュレーション発想による行動パターンの分析』
という(400字500枚)の原稿を書いた。
2月に、知り合いである出版社の社長にプレゼンした。
社長は、いろいろな部署に検討するように指示してくれたのだが、
なかなかいい返事が得られない。
なぜか、と考えているうちに、わたしの原稿の欠点が見えてきた。
自分で欠点がわかるようなら、それが編集者に見えないわけはない。
わたしは、新しい構想で全面的に書き直す決心をして、依頼を取り下げた。
『信長最後の茶会』とは、本能寺の変の前日に開かれた茶会のことで、
このとき信長は38点もの名物茶道具を安土から運びこんでいる。
その重要性を最初に指摘したのが、円堂晃氏の『本能寺の本当の謎』であった。
『信長最後の茶会』の出だしは、すごく面白かったので、つい最後まで読んでしまう。
しかし、読後感は「多少肩すかし」であった。
いろいろの可能性を指摘するものの、「こうだ!」という結論は出さない。
学者としては、そうせざるを得なかったのだろう。
わたしの考えと似ている点がいくつかあり、参考になる点もあったので、
許すことにする。(わたしの方が30近く年長なので・・・)

因みに、新しい原稿のタイトルは『信長伝説の虚構と実像』を予定している。
忙しさというものは波のようなものだ。
今、そのピークが近づきつつあるのかもしれない。

今日はこれから『門星明華学園』の初校を見る。

鈴木銀


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  (2009年8月10日)

これはまぎれもなく傑作ではないか。
これがラノベだって?
では、ラノベの定義とは何なのだ。
『ライトノベル研究序説』では、
「マンガ的・アニメ的なイラストが添付された、
 十代の若者層を主要読者とするエンターテインメント小説である」
と定義されている。
『砂糖菓子~』のどこがこの定義に当てはまるのか?
同じ作者の『推定少女』とは、まるで密度が違う。
これは、作者の手抜きなのか。

ますます「許せん」状況になってきたではないか。

鈴木銀


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