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[参考] 戦国百万石支配 鈴木銀一郎

鈴木銀一郎先生が、BBS「金羊亭」で、
ゲーム研究に関する記事を連載していますので、ご案内します。


戦国百万石支配(仮題)  (2009年7月28日)

カードゲームの構想がまとまる。
午前4時ごろ、夢の中にカードが次々に現れたのである。
カードのレイティングも、はっきり見えた。
夜、企画のことを考えながら、適当に酒を飲んで寝ると、
50~60代の前半まではよく、明け方の夢の中で出来上がった企画なり、
アイディアなりを得ていたものである。
寝ているうちに、脳の一部が邪魔になっている思考回路抜きに考えてくれる
という非常に効率がいい手法である。
しかし、欠点もある。
第一は、100%夢をみるわけではないこと。
(特に締め切りがずっと先にあるやつは、まず無理)
第二は、予期しないことを夢見ることがときどきあるということ。
ずいぶん前のことだが、
わたしが20代に犯した殺人事件が、ひょんなことから少しずつバレていく
という夢を見たことがある。
そのあまりのリアルさに、気づいたときは汗びっしょりだった。
(断っておくが、わたしは「絶対にやっていません」)
昨日の夜は、缶ビール(風)1本と、旨すぎる日本酒のロックを2杯半。
まあ、最近の晩酌の定量の範囲内である。
午前3時にトイレに立ったついでに、
『グレゴリオ聖歌』のCDをオンにして寝たら、
4時ごろに閃いたというわけである。
『グレゴリオ聖歌』はここに引っ越して3日目ぐらいから、
夜練るとき、朝起きたときにかけるのが習慣になっている。
(なぜなのか、興味のある方は心理分析をして教えてください)
今日は、カードづくりの予定。
300まいだから、1日で終わるかどうか。

鈴木銀


戦国百万石支配  (2009年7月29日)

夢で、カードのレイティングまで見えたなんて書いたけど、
全てのカードを見たわけではない。システムの基幹となるカードが見えただけで、
実際の作業はこれからが本番。
昨日は、一応(ほぼ)全てのカードのレイティングを行い、それで終わり。
今日、個々のカードについて思考実験を行い、修正していく。
『日本機動部隊』をデザインしていた時、わたしは編集者だった。
たまたま、仕事が一段落して割と暇だったので、会社で空戦の思考実験をくりかえした。
ゼロ戦と、F4F。頭の中で仮想ダイスを振り、結果を検証する。
そばで仕事している同僚も、わたしがそんなことをしているのに、
だれも気づかなかった。(当然のことだが)
テストプレイで、思考実験の結果はそのまま通用した。
今回はそこまでの自信はないが、
一応、テストプレイにまでもっていけそうな感触をえる。
カードをつくり、ソロのテストプレイをやり、
次の段階がテストプレイヤーに依頼するということになる。
明日から、カードづくりに入る。
「三成と家康」の原稿も書かなくてはいけないが、そちらは発酵を待っている感じ。
2ページだから、充分の発酵を待つまでもないのだが・・・。
正直いうと、「書かねば」という覚悟待ちといった方がいいのかもしれない。

最近、夜9時、10時になると、目やにが多くなる。
目薬がだんだん必需品になってきた。ヤダ、ヤダ。

鈴木銀


ソロプレイ終了  (2009年7月31日)

300枚のカードができ、ソロで3人プレイのテスト。
面白い。
最初は、『ドミニオン』風の領国経営で進むが、
だれかが武将(コスト8)か、勝利点10(コスト10)を獲得すると、
突然、緊迫感が出て、『ドミニオン』とは全く違った雰囲気になる。
実は、そんなゲーム展開を狙って思考実験をしていたのである。
武将のレイティングを修正して、再度テストプレイの予定。

「戦国百万石支配」。ソロでの4人プレイをテスト。
数値を少しと、終了条件を修正。
これで、ソロプレイは終了。
あとは、テストプレイチームに任せることにする。

鈴木銀


戦国百万石支配  (2009年8月1日)

何回か日記に書いてきたが、コメントは非常に少ない。
みんな、「『ドミニオン』で楽しく遊んでいるんだから、余計なことをするなよ」
って思っているんだろうな。
実は、わたしだってそう考えていた。
せっかく(TCGに大金を注ぎこんだ恨みを晴らす意味もこめて)
喜んでプレイしているんだから、水を差すようなことはすまいと・・・。
公平な条件のもとで、デッキづくりを楽しむ。素晴らしいことじゃないか。
わたしは、『R&R』の原稿で、何回も『ドミニオン』をとりあげた。

しかし、ある席で口頭だが、『ドミニオン』の戦国時代版のデザインを
依頼をされてしまったのである。
「依頼を断ってはいけない」
サラリーマンを辞めてから、それがわたしのモットーである。
(フリーランサーを経験した人なら、ほとんどそうだろうが)

デザインについて最も留意したのは、次の2点である。

1.差別化をどう果たすか
この点はすぐに解決した、というより前々から、考えていたことでもあった。
『ドミニオン』には、キャラクター性がない。カードの名称は全て記号である。
つまり、わたしのいう第3のイノベーション以前の形態をとっているのである。
そこで、まず、キャラクターを導入することを決めた。
つまり、「戦国武将」という記号ではなく。「織田信長」、「武田信玄」などという
固有名詞にして、それぞれレイティングを変えるのである。
さらに、合戦(戦闘)の要素を加えることにする。戦国武将とくれば、
合戦がなかったら、サビ抜きの寿司と同じではないか。
前半は領国経営、後半は戦闘となれば、差別化は果たしているのではないか。

2.著作権侵害にならないこと
わたしは、編集者時代に「アイディアに著作権なし」と教わった。
では、何に著作権があるのか。
「アイディアが形になったもの」に著作権がある。
例えば、『ドミニオン』の財宝カードの「1」、「2」、「3」には著作権はない。
1,2,3というのは、だれが考えても自然な形だからである。
しかし、そのコストの「0」、「3」、「6」には著作権が発生している。
アイディアが具体的な数値として形になっているからである。
特に、「0」がポイントである。そこにシステムの根幹があるからだ。
同様に、「勝利点」の「1」、「3」、「6」にも著作権がある。
そこで、財宝のコストは、「1」、「3」、「6」に、勝利点は「1」、「2」、「5」、「10」とした。
(もちろん、いきなりそう決めたわけではなく、思考実験の結果としてであるが。)
1番苦労したのが、最初の札が10枚、手札が5枚という点である。
同じ数では、著作権侵害で訴えられる可能性がないとはいえない。
手札は4枚か、6枚か。4枚では、バリエーションが少なくなるし、
高コストのカードを購入しにくくなるが、わたしはあえて4枚を選んだ。
「オープン」というシステムを考え出したからである。
あるタイプ(このゲームでは戦闘に使用できるカード)はオープンを宣言すると、
捨て札にはならない。つまり、毎ターンその機能を発揮できるので、
手札枚数が増えるのと同様の効果を発揮するのである。
(オープンカードが4枚出れば、手札が8枚になったのと同じで、
『ドミニオン』より、ダイナミックな展開が期待できるのだ)
ゲームの終了条件、使用するカードの種類の数も、考慮した。
なぜ10種類なのか。入れ替えることで、
バリエーションを楽しむというのが建前なのだろうが、
実は時間管理の要素が強いのではないかと、考えている。
カードの種類が多いと、なくなるまでに時間がかかるからだ。
そこで、種類は12以上、テーブルに並ぶなら20種全部を使っていいとした。
その代わりに、10の勝利点カードの枚数を少なくする。
3人以上でも4枚しかない。これなら、だれかが10勝利点をゲットしたら、
ゲームはスピードアップする。
さらに、5勝利点、だれでも手に入れようとする武将、城のカードがなくなっても
終了ということにした。
これで、時間管理もできるはずである。

ソロプレイの結果では、一応の手応えを感じている。
いよいよ来週からテストプレイに入る。

ご意見、ご感想をお聞かせください。

鈴木銀


補足  (2009年8月2日)

12デッキなら、充分収まると思います。
ソロプレイは事務机の上で4人プレイということでやりましたが、可能でした。
『ドミニオン』より2デッキ多いだけといったらイメージできるのではないでしょうか。
「オープン」を続けるためには1アクションが必要です。
そのため、全ての戦闘カードは「+アクション」機能をつけています。
「オープン」カードは、廃棄ではなく、捨て札にして再利用できます。

――――

「農民兵」というカードは「+1アクション」しかありません。
つまり、戦闘が起きなければ、ただいるだけという存在です。
「砦」は「+1アクション」か、「+1ドロー」を選択します。
ドローを選択すれば、他の「+アクション」の厄介にならない限り、
捨て札になってしまいます。
「戦闘カード」が自分の前にそろってくると、軍備の充実を感じます。
なお、武将カードだけは「オープン」になりません。
プレイしたとき、アクションフェイズの終了後、
1人を選んで「攻撃」をすることができます。

――――

ゲームデザインに必要なのは、
1.コンセプト
2.テーマ
3.デザインテクニック
があり、1番重要なのがコンセプト、2番目がテーマ。
デザインテクニックは、頭の中に引き出しさえいっぱいあれば、
いろいろ開けてみて、適当にまとめればいい。
引き出しをたくさん用意しておくためには、いっぱいゲームをして、
それぞれのシステムの特徴を把握することがたいせつだ。
というのが、ゼミで話したことでした。

――――

河村くんが、その配下(?)の「ギダチョン」くんと2人プレイのテストプレイ。
今、電話でその様子を聞いたところ。
これから、テストプレイはたっぷりしなければならないが、
まずまずの面白さがあったようで、一安心。
一部ルールを誤解していたところもあったが、
逆に、そのルールを採用しようかという気分になっている。
この辺がテストプレイの面白さなのだが・・・。
詳しくは、河村くんがコメントをつけてくるはずで、読んでください。
水曜日は、わたしも参加して4人プレイ・2セットでテストする予定。

鈴木銀


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