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[参考] わたしとRPG 鈴木銀一郎

鈴木銀一郎先生が、BBS「金羊亭」で、
わたしとRPGの題で回想録を連載していますので、ご案内します。


わたしとRPG (2009年7月10日)

『ダンジョンズ・ディープ』を翻訳・出版する前のことである。

『シミュレーター』というシミュレーションゲーマーのための雑誌を、
わたしの会社翔企画から出すことになり、
とりあえずわたしが編集長を務めることにした。
創刊号の特集は「ロールプレイング・ゲーム」。
シミュレーションゲームの雑誌でRPGを特集しても、何の違和感もなかったのである。
わたしは、イラスト主体のリプレイを8ページで載せることを決め、
静岡の高校生藤浪智之さんと、そのグループアウトバーンに依頼した。
シミュレーションゲーム全盛のころは、
メーカー主催のコンベンションが各地で開かれ、わたしもゲストで参加していた。
静岡大会のとき、たくさんの同人誌を見せられたが、
わたしの目を引いたのが『アウトバーン』だったのである。
(この時、藤浪さんたちはまだ中学生だった)
わたしは、旧シミュレイターの編集者にアウトバーンを紹介し、
かれらは期待に背かない作品を送ってきたという経緯がある。
創刊号のリプレイは、結構難航した。締め切りは延びるし、
ページ数は何度も変更になるし、でも、できあがった『七つの祭壇』は傑作だった。
このリプレイで、RPGを始めたというゲーマーはけっこう多い。
(『七つの祭壇』は復刻された)
これが縁となって、藤浪さんは翔企画に入社し、
『シミュレイター』の副編集長(ただし、部下はいない)として、
編集を担当することになった。
『シミュレイター』はその後もちょくちょく「RPG特集」をした。
藤浪さん以外にも、『シミュレイター』で業界デビューした人は多い。
RPG界では、近藤功司さん、菊池武さんが有名どころである。
(この辺の事情について藤浪さんあたりが書き込みをしてくれると、
興味ある事実が明るみにでるかもしれない)
ただし、『シミュレイター』は赤字続きだった。
翔企画は本業の「委託編集」ではもうかっていたが、
『シミュレーター』の赤字が少しずつ重荷になっていった。
そんなときに『モンスターメーカー』が救世主となったのである。

鈴木銀


わたしとRPG(藤浪青年のこと) (2009年7月12日)

藤浪さんの話をもう1つ。『モンスターメーカー』以前の話である。

『ナイトメアハンター』というRPGが翔企画に持ち込まれた。
人の夢の中に入って「悪夢」を退治するといものである。書いたのは勝木康明さん。
わたしは原稿を藤浪さんに渡して、感想を聞いた。
「面白いけど、このままでは駄目です。いろいろ修正しなくては」
そういうと、藤浪青年は修正すべき点を列挙した。
このとき、藤浪さんがどういったか詳しくは覚えていない。
しかし、藤浪青年の言葉からは、RPGのルールブックはこうあるべきだという
強い信念が感じられた。
そこで、ディベロップと編集は、彼に一任することにした。
つまり、丸投げということですね。
『シュミレイター』誌の編集をやりながらのことだから、時間はかかったが、
出来上がったものは、(いい意味で)生まれ変わった『ナイトメアハンター』だった。
コミックは入るは、「ゲームブック」(もちろん藤浪智之作)も入るはで、
当時としては画期的な作品になったと思う。
思った通りの、いやそれ以上の才能だと感じ、
次のステップとしてオリジナル企画が出てくるのを期待した。
(残念なことに、『モンスターメーカー』の少し前に、藤浪さんは翔企画を退社した)

わたし自身はというと、いくつかのRPGのプロデュースをやり、名前だけの監修をし、
それらのゲームにテストプレイヤーとして参加した。
そのときの印象はGMとの相性が悪かったせいか、
「RPGとは時間がかかって疲れる割には達成感が低い」というものだった。
そのためだろう、GMをやってみたいという気にはならなかった。

鈴木銀


RPGとわたし(小林正親さんのこと) (2009年7月17日)

「RPGは時間がかかる割には達成感が少ない」
何かの機会にそういったとき、藤浪さんが
「鈴木さん、一度小林正親さんのGMでプレイしてみるといいです。
小林さんの『さよならの城』は面白いですよ」
その小林さんと初めて会ったのは百木幸七郎さんが主催するコンベンションの
打ち上げの席だった。
小林さんはわたしの前に座っていたのだが、
回りの人たちは小林さんのことを「王子」と呼んでいた。
(ハンカチ王子や、はにかみ王子が出現するより五年以上は前のことである)
普通の人なら「王子」と呼ばれれば否定するだろう。
ところが小林さんは平然とそれを受けていたのである。
「この人は面白い」とわたしは思った。
そこで、藤浪さんから聞いた話をすると、
「ぼく、マスターやりますよ。ぜひプレイしてみてください」
目をきらきらさせながら、小林さんがいった。
次の週末、RPGカフェ「デイドリーム」でそのセッションが行われた。
『ローズ・トゥ・ローズ』システムによる『さよならの城』。
素晴らしいセッションだった。
最後、PLたちは(好むと好まざるにかかわらず)悪の精霊を
鳥かごの中から開放してしまう。
精霊が城の外に出れば、この世に計り知れない災厄をもたらすことは明らかである。
しかし、精霊はどうみても倒せそうがないし、元々からの悪であったわけではない。
悪疫にとりつかれた王女で、
悪疫の流行を怖れた父王によって塔に幽閉されていたという設定である。
「あたしは外に出て遊びたいだけなの」
と、精霊はかわいい声でいう。
さあ、あなたはどうしますか?
わたしは精霊を籠から出してしまった責任もあり、ともに死のうと決心する。
精霊を攻撃するが、もちろん当たらない。
「精霊が攻撃してきます。回避ダイスを振ってください」
「振りません」
と、わたしは答えた。
「えっ、振らないんですか」
「ええ、攻撃をそのまま受けます」
「ではダメージ判定です。ダイスを振ってください」
その時、奇跡が起き、わたしのダイスの目は「魔数」だった。
(キャラによって「魔数」の目が決まっていて、その目が出れば振り足しができる)
結局、ダメージは受けなかった。
次のターン、わたしが攻撃を避けようとしなかったことが意表を突いたのか、
わたしの攻撃が命中し、精霊はわたしの腕の中で死んでいく。
「わたしはただ外に出て遊びたかっただけなの」
わたしは感動して、目頭が熱くなった。
「RPGにはこういう可能性があったのだ」
その日、わたしはRPGをやろうと決心した。
その可能性を引き出すために、できるだけのことをやってみようと。

鈴木銀


わたしとRPG(初めてのGM) (2009年7月21日)

「さよならの城」を経験して、GMをやってみる気になった。
GMデビューの場は、最後になったJGCWEST。
システムは、そのころ藤浪さんの主導で開発が進んでいた
『ナイトメアハンター』(ディープではない)。
テーマはリチャード・マティスンの『地獄の家』
(『ヘルハウス』のタイトルで映画化された)。
幽霊屋敷の幽霊の正体は、実は怪物といわれた男ではなく、
ファーザー・コンプレックスの権化と化したその息子であったというもの。
プレイヤーのナイトメアハンターたちは、イギリスの幽霊屋敷が本物であるかどうか
探るように依頼を受けるというオープニング。
わたしは部屋ごとに無害の幽霊を配置した。
100年前に起きた惨撃の犠牲者となった一族たちである。
かれらが、PCと会話すると、みんな死んだ年齢より5歳若い。
調べると、5年前に息子が死亡したという事実が得られる。
つまり、全ての幽霊を息子が演じているため、5歳若い姿しか再現できないのである。
もう1つの仕掛けは、幽霊屋敷の1階と2階の見取り図。
正確な縮尺で描いてあるので、注意して調べると隠し階段があることに気づき、
屋根裏部屋へと導かれる。
そこには、気の弱い息子が折檻のために閉じ込められた大きな衣裳箱がある。
ナイトメアハンターがそれに触れれば、閉じ込められた息子の恐怖に同調する。
自分では結構練られたシナリオだとうぬぼれていたが、
理想と現実の間には大きな差があった。
PLさんが、仕掛けに全く気づいてくれないのである。
前夜のテストプレイでそのことに気づき、一応対策は取っておいた。
それは、幽霊屋敷の1部屋に東京のナイトメアハンターの組織とつながる
パソコンがあり、発見した事実を入れるとアドバイスが得られるというものである。
しかし、アドバイスで真実を発見しても、謎を解いたという爽快感は得られない。
わたしはの最初のセッションは見事に失敗し、わたしは1つの教訓を得た。
「謎解きの要素をいれるなら、必ず解決できるようにしておかなければならない」。
ただ、わたしの性格は「失敗したら、再度挑戦する」というものだ。
わたしは、JGCの打ち上げで、さらにマスターを続けると宣言した。

鈴木銀


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関連サイト

 モンスターメーカーの公式HP


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